フィボナッチツールって、トレードを学び始めたばかりの方でも一度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。多くのトレーダーが活用していて、その有効性についても異論は少ないと思います。ただし、その使い方やフィボナッチの本質に関しては、意外と多くの誤解や混乱があるんです。
今日は、そのフィボナッチについて、なぜ機能するのか?どうやって実際のトレードで活かすのか?これらの疑問に答えつつ、僕自身の経験を交えながら深掘りしてみたいと思います。
フィボナッチがなぜ機能するのか?
まず、フィボナッチがなぜ機能するのかという点についてですが、僕らは3つの理由があると考えています。
1. 相場は心理的な動きが多分に影響している
相場の動きって、結局のところ人間の心理によるところが大きいんです。フィボナッチ数列が市場の動きを反映している理由は、これが人間の感覚に自然と一致するからだと考えられます。例えば、61.8%や38.2%といったリトレースメントの水準は、相場参加者が心理的に反応しやすいポイントなんです。
「この辺りまで下がったら買おう」とか「ここまで上がったら一旦売ろう」といった心理が働きやすいのが、このフィボナッチ水準なんです。ですから、チャートにこれを引いておくだけで、他のトレーダーの行動がなんとなく見えてくるわけです。
2. チャートはまっさらな空間である
フィボナッチツールのもう一つの大きな利点は、チャート上の値動きを「相対的」に見るための定規のような役割を果たす点です。相場って、まっさらな空間で、どこが重要なポイントなのかは明確に示されていません。だからこそ、フィボナッチのようなツールが有効なんです。
フィボナッチを引くことで、過去の動きと現在の価格を相対的に比較し、どこが反転しやすいか、どこでエントリーやエグジットを考えるべきかが、より鮮明に浮かび上がってくるんです。
3. 市場参加者が意識しているから
この理由は少しメタ的かもしれませんが、フィボナッチが機能する一つの理由は、多くの市場参加者が意識しているからです。多くのトレーダーがフィボナッチを使っているという事実自体が、相場においてその水準が反応しやすくなる原因なんです。
つまり、フィボナッチはツールとして「自己実現的予言」のような役割を果たしているとも言えます。皆が「ここが61.8%のリトレースメントだから反転するかもしれない」と考えると、その水準で実際に価格が反応することが多くなるわけです。
フィボナッチをどう実践に活かすか?
さて、フィボナッチが機能する理由を確認したところで、次にその活かし方についてお話ししていきましょう。
フィボナッチツールを使うといっても、何種類かあります。リトレースメント、エキスパンション、アーク、タイムゾーンなどなど…いろいろな種類がある中で、僕らが特に重視しているのは「フィボナッチリトレースメント」と「フィボナッチエキスパンション」です。
フィボナッチリトレースメントの活用法
フィボナッチリトレースメントは、トレンド相場において特に有効です。例えば、強い上昇トレンドが発生したとき、どこまで下落したら再度買いが入るのか?これを測るためにリトレースメントを引くわけです。
実際に僕がトレードをするときも、リトレースメントを使ってエントリーポイントを探すことがよくあります。61.8%や38.2%といった重要な水準で価格が止まるか、反発するかどうかを観察し、エントリーのタイミングを図ります。
トレンドが一旦調整に入ったときに、「どこでその調整が終わるのか?」を探るために、リトレースメントは非常に強力なツールとなります。もちろん、ただフィボナッチを引くだけでは不十分で、他のテクニカル指標と組み合わせて使うことも大切です。
フィボナッチエキスパンションの活用法
次に、フィボナッチエキスパンションについて。これは、トレンドが進んでいく先を予測するのに役立つツールです。つまり、次のターゲットプライスがどこになるかを測るために使います。
エキスパンションを使うことで、今後価格がどの辺りまで上昇(または下落)する可能性があるのかを見定めることができるんです。僕が特に意識しているのは、エキスパンションの161.8%と261.8%の水準です。これらの水準は、次の大きなターゲットとして機能することが多いので、エグジットポイントとして活用しています。
フィボナッチタイムゾーンは使わない理由
一方で、フィボナッチタイムゾーンなどの「時間」を示すツールは、僕らは使いません。なぜなら、価格の動きに比べて時間の概念は相場においてあまりにも不確実だからです。
トレードにおいて一番重要なのは「価格」です。時間はその次に来るものなので、タイムゾーンのようなツールを使うよりも、価格を基に判断を下す方が実践的だと思います。
フィボナッチを手法に組み込む
僕たちの手法にフィボナッチを組み込む際に大事なのは、単純にフィボナッチを使うだけではなく、それを他のテクニカルツールや相場観と組み合わせることです。フィボナッチは「ここで買い」とか「ここで売り」といった明確なサインを与えてくれるわけではありません。それ自体はただのツールです。
しかし、例えば、フィボナッチリトレースメントが示す61.8%の水準で価格が反発しそうだと考えたときに、その付近でダイバージェンスが出ている、または出来高が急増しているなど、他の要因も加味することで、エントリーの確度が高まります。
僕らの手法において、フィボナッチは「相場のどの部分が重要なのか」を見極めるための一つの指標であり、他のツールとのコンビネーションでその精度を高めていくというアプローチをとっています。
フィボナッチは万能ではない
最後に、フィボナッチは強力なツールですが、万能ではありません。すべての相場でフィボナッチが機能するわけではないし、絶対にこの水準で反発する、というわけでもない。だからこそ、フィボナッチを過信せず、他の指標や相場の動きと併せて使うことが重要です。
トレーダーとして成功するためには、ツールに頼りすぎるのではなく、自分の相場観を磨き、経験を積んでいくことが最も大切です。フィボナッチもその助けとなる一つの要素に過ぎない、ということを常に意識しておくと良いでしょう。
これからもフィボナッチを使って成果を上げていくつもりですし、トレード手法にしっかりと組み込んでいくことで、より高い確度でのトレードが可能になると確信しています。
というわけで、フィボナッチツールを使って、ぜひ皆さんの
トレードにも活かしてみてください。