1-9-2 動かない方が勝てる?トレードで“やらない”という選択の重要性

メンタルマスター

こんにちは、猫飼い@FXです。さて皆さん。今週も相場についてお話ししていきますが、今回はちょっといつもと違う視点で見ていきたいと思います。タイトルにもある通り、「やらないことの大切さ」についてです。トレードの世界に足を踏み入れると、ついつい「動かないと損するんじゃないか」とか「何かしないとお金を稼げない」と焦ってしまうこと、ありますよね。でも実は、相場によっては「やらないこと」が最善の選択になることが多いんです。今回は、そんな「やらないトレード」について深掘りしていきますので、どうぞお楽しみに。

今週の相場は「やらない週」

まず、今週の相場の動きを振り返ってみましょう。今週は経済指標が目白押しで、マーケット全体が手控えムードに包まれていました。流動性が低く、ちょっとした建て玉で相場が乱高下するような状況です。要するに、不確実性が高くてリスクが高いわけです。こんな週に無理してトレードを仕掛けると、失敗するリスクが跳ね上がります。

私たちトレーダーは、リスクを取ることで利益を狙うのが仕事ですが、今週のように流動性が低い時期に無理してトレードを仕掛けるのは、本当に危険です。というのも、相場が乱高下すると、自分の予想が正しくても、短期的な動きでストップに引っかかってしまったり、大きな損失を抱えてしまったりすることが多いからです。そんなわけで、今週は「基本的にやらない週」だと自分に言い聞かせるのが重要なポイントです。

実際、今週のドル円は145円付近から押し目買いを狙いたい場面があったものの、ベージュブック(アメリカの経済レポート)の弱気発言が出たことで、9月の利下げ予想が100%に。これによって米国債の金利が急低下し、ドル円も143円まで一気に下落しました。予想が大きく外れたわけではなく、先物期日が近いため、この下落は想定内でしたが、どちらにせよ乱高下するマーケットでは慎重になるべきです。

そして、今日も相場は143円付近で停滞しています。さらに今日はアメリカの雇用統計の発表が控えており、週末に差し掛かっています。しかし、ここで面白いのは、雇用統計の数値自体が信頼を失っている点です。過去に粉飾が明らかになったこともあり、今回の発表がどうであれ、市場が大きく動かない可能性が高いんです。つまり、これまた「やりにくい週」ということですね。

トレーダーにとって「やらない勇気」が重要

ここで重要なのは、トレーダーとして「やらない勇気」を持つことです。しかし、これが案外難しい。資金を口座に入れてしまうと、「何かしないと勿体ない!」という気持ちに駆られてしまうからです。特に、まだ手法が確立されておらず、安定して稼げていない場合は、焦りがさらに強まりますよね。

私も昔、始めたばかりの頃は「何かしなければならない」という強迫観念に囚われていました。口座にお金を入れておくと、それを使わないのがすごく勿体ないように感じてしまうんです。でも、トレードは「無駄なトレード」を避けることが、実は利益を守るための最も効果的な方法だったりします。

いくらAIが進化しようとも、あなたに「やらない」ことを強制することはできません。インジケーターに頼ったトレードも、自動売買(EA)などもそうですね。あなたの強い意志が重要なんです。

サラリーマンとトレーダーの違い

また、サラリーマンの方と違い、トレーダーは稼いだお金を相場に「盗られる」リスクが常にあります。例えば、10万円稼いだとしても、次の日にはそのお金が相場の波に飲まれて消えてしまうことも珍しくありません。サラリーマンの方々にとっては、労働の対価として安定した収入が得られますが、トレーダーの場合、負けた=稼いだお金を盗られたと感じてしまうことが多いんです。この「盗られた」という感覚が、さらなる焦りを生み、無理なトレードへとつながってしまいます。

だからこそ、トレーダーとしてのメンタルマネジメントが非常に重要です。例えば、10万円稼いだらそのうち1~2割は「次の稼ぎのための経費」として考えることが大切です。そうすることで、もし次に損失を出しても「これは経費だ」と割り切ることができ、感情的にトレードを続けてしまうリスクを減らすことができます。

専業トレーダーのプレッシャー

そして、さらに注意が必要なのが、専業トレーダーとしてのプレッシャーです。兼業のトレーダーだった頃は、安定した給料があったため、多少トレードで失敗しても精神的には安定していられたという方も多いでしょう。しかし、いざ専業トレーダーになると、その安定収入がなくなるため、一気にプレッシャーが高まり、トレードスタイルが崩れてしまうことがあります。

例えば、専業になった途端に「毎月〇〇万円は稼がないと生活ができない!」という切迫した状況になると、冷静な判断ができなくなり、つい無理なトレードに手を出してしまう。結果として、さらに損失が拡大してしまうという悪循環に陥るケースも少なくありません。

「やらない」を選ぶための具体的な方法

では、そんな「やらない」という選択をするためには、どうすればいいのでしょうか?これは、簡単なようで非常に難しい問題です。しかし、具体的な方法として、「正しい自問自答をすること」が挙げられます。

多くの人は、自分のことを「自分」だと思っていますが、その自分は実は本能的な自分であることがほとんどです。トレードにおいても、本能的な判断で動いてしまうと、感情に振り回されて冷静なトレードができなくなってしまいます。例えば、相場が急激に動いているとき、「早くエントリーしなきゃ!」「このままじゃ儲け損ねる!」という本能的な思考が働いてしまうことがあります。

そんなときに必要なのは、「もう一人の自分」を理性的な存在に育てることです。本能的な自分が「やりたい!」と叫んでいるときに、もう一人の理性的な自分が「ちょっと待てよ」と冷静に声をかける。このバランスをうまく取ることができれば、無駄なトレードを減らし、リスクを抑えた安定したトレードができるようになります。

理想のトレーダーモデルをイメージする

この「もう一人の自分」を育てるために効果的なのが、理想のトレーダーモデルをイメージすることです。例えば、「理想的なトレーダーは、どんな判断をしているだろう?」と考えてみてください。理想のトレーダー像がはっきりしていれば、そのモデルに自分を近づけるよう努力することで、本能的な判断を理性的なものに変えることができるようになります。

例えば、こんな場面で…

少し具体的な例を挙げてみましょう。仕事でストレスが溜まっているとき、「今日はもう疲れたから、お酒でも飲んでリラックスしようかな…」と考えることがあるでしょう。これは本能的な自分が「ストレスを解消したい」という欲望から来る行動です。

しかし、ここで理性的な自分が登場して、「いやいや、今日はトレードがあるんだから、お酒はやめておこう。その代わりに、明日の朝、頭をクリアにして相場に向かおう」というように、自分にブレーキをかけることができると、トレードにおいても同じような判断ができるようになります。

例えば、相場が急騰しているときに「今だ!今入れば一気に儲かる!」と本能が囁く瞬間があったとしても、理性的な自分が「いや、流動性が低い今はリスクが高すぎる。ここは見送るべきだ」と冷静に判断する。こういう思考を習慣化することで、結果的に無駄な損失を防ぐことができるんです。

トレーダーとしての「やらない」スキルを磨く

このように、トレーダーとしての「やらないスキル」を磨くことは、利益を最大化するために非常に重要です。私たちはついつい、動くことこそが成功への道だと思いがちですが、実は動かないことでリスクを減らし、結果として大きなチャンスを掴む準備ができるのです。

トレードでは、「チャンスは逃したけど、損失も防いだ」という局面がたくさんあります。そのたびに「もっとやればよかった…」と後悔するのではなく、「あの時は正しい選択をした」と自分を認めてあげることも、成功への第一歩です。

終わりに

さて、今回は「やらないことの大切さ」についてお話ししてきました。特に今週のように、流動性が低く、不確実性が高い相場では、「やらない勇気」を持つことが何よりも大切です。トレーダーとして成功するためには、動くことだけが正解ではなく、冷静にリスクを避けるための判断ができるかどうかが鍵となります。

次に相場に向き合うときは、ぜひ「やるべきかやらないべきか」を冷静に自問自答してみてください。理想的なトレーダー像を持ち、理性的な自分を育てることで、より成功に近づけるはずです。

それでは、次回もまたお会いしましょう!

タイトルとURLをコピーしました