― 初級者から中級者に進む人が必ず通る心理トラップ ―
FXを始めてしばらくすると、
多くの人が同じ言葉を口にするようになります。
「相場に騙された」
「これはダマシだ」
「教科書通りやったのに逆に行った」
いわゆる “ダマシ” という状況です。
これは初心者あるある、というより
初級者から中級者へ移行する過程で必ず遭遇する心理的トラップ
と言ったほうが正確かもしれません。
なぜなら、
ダマシは「何も分かっていない人」ではなく、
“ある程度分かってきた人”ほどハマりやすいからです。
基礎を学んだ人ほど、ダマシに遭う
FXを始めて間もない頃、
多くの人はこうした行動を取ります。
・ローソク足の基本を学ぶ
・トレンドラインを引く
・サポレジを引く
・移動平均線やMACD、RSIを見る
・ブレイクアウトを狙う
本やブログ、YouTubeで
一生懸命「基礎」を勉強します。
そして、
「なるほど、ここを抜けたら上だな」
「この形は教科書に載ってたやつだ」
そう確信してエントリーした瞬間――
反対方向に動く。
しかも、
・入った瞬間に逆行
・損切りを入れた直後に戻る
・戻ったと思ったらまた逆行
この一連の流れを経験すると、
人はこう感じます。
「相場に騙された」
「これはダマシだ」
でも、ここで一つ大事なことがあります。
ダマシとは「相場の意地悪」ではない
多くの人は、
ダマシを「相場の性格が悪い」「運が悪い」と捉えます。
しかし実際には、
ダマシは非常に論理的に起きている現象です。
整理すると、
ダマシとはこういう状況です。
基本を押さえた人が
視覚的に誰でも認識できる場所
またはメジャーなインジケーターをトリガーに
セオリー通り仕掛けたとき、
反対方向に動く現象
ポイントはここです。
「誰でも認識できる場所」
・誰が見ても分かる高値・安値
・明確なレンジブレイク
・教科書通りのチャートパターン
・インジケーターの有名なサイン
つまり、
多くの人が同じタイミングで同じ行動を取る場所。
そこは、
決して“安全な場所”ではありません。
むしろ――
最も戦いが激しくなる場所です。
ダマシには2つのパターンがある
ダマシと一口に言っても、
実際の値動きには大きく2種類あります。
① そのまま反対方向に行ってしまうパターン
ブレイクしたと思って買ったら、
一度も戻らず下落。
「完全にやられた」
と感じるタイプのダマシです。
② 乱高下したあと、結局思った方向へ行くパターン
一度逆行
↓
戻ってきた
↓
また逆行
↓
耐えた人だけが報われる
こちらは、
精神的に最も削られるタイプ。
どちらにしても共通しているのは、
エントリー直後の不快な逆行です。
では、なぜこんなことが起きるのか。
ダマシに遭う原因は、たった一つ
結論から言います。
仕掛けが早すぎる。
これだけです。
あなたが
「ここだ!」
と思ったその場所。
そこは、
ガチで敵と味方が戦っている最前線です。
あるいは、
「その方向に強く動かしたい勢力」と
「それを阻止したい勢力」が
真っ向からぶつかっている場所。
戦争が終わっていないのに、
勝敗が決まる前に飛び込んでいる。
それが、
多くのダマシの正体です。
「正しい場所」=「今すぐ入っていい場所」ではない
ここで多くの人が混乱します。
「でも、場所は合ってましたよね?」
「方向も最終的には合ってました」
その通りです。
方向性や場所の認識は合っていることが多い。
問題は、
“タイミング”だけ。
しかし、
初心者〜中級者の多くは
こう考えてしまいます。
「ブレイク=すぐ伸びる」
「形が出た=即エントリー」
これが、
ダマシ量産の思考回路です。
相場は「目的」を達成するまで動かない
相場は、
人の集合体です。
そこには必ず、
目的を持った参加者がいます。
・ある価格帯でポジションを集めたい
・ある価格を割らせたい
・ある水準まで引き付けたい
その目的が達成されるまでは、
相場は素直に進みません。
むしろ、
逆方向に動いて人を振り落とすことすらあります。
だから、
・早く入りすぎた人が損切りされ
・怖くなった人が手放し
・残ったところで本命方向へ動く
こうした値動きが起きる。
これを、
後から見ている人が
「ダマシだった」と呼んでいるだけです。
ダマシを回避するために必要な視点
では、
どうすればダマシを回避できるのか。
答えはシンプルです。
「相場はどこに向かっているのか?」
「その動きは、いつまで続くのか?」
この2つの情報を、
エントリー前に把握すること。
そのために必要なのが、
・流動性プールの情報
・オプションの情報
・先物の情報
です。
ここで驚く人も多いですが、
これらは 誰でも簡単に入手できる情報です。
特別な会員にならなくても、
莫大なお金を払わなくても、
調べれば手に入る。
ただし――
プロ(上級者)しか見ていない。
だから、
多くの人は存在すら知りません。
次の段階へ進むために
ダマシは、
トレーダーとしてのレベルが上がる
入り口のサインでもあります。
・基礎は身についた
・形は見えている
・でも結果が安定しない
この段階にいる人が、
次に身につけるべきなのは、
「形」ではなく
「背景」です。
次の記事では、
ダマシを回避するために欠かせない
流動性プールとは何か?
なぜそこが狙われるのか?
この点を、
できるだけ噛み砕いて解説していきます。
【第2段階】
相場は“流動性”を食べに行く
― ダマシが起きる本当の理由 ―
第1段階では、
ダマシに遭う最大の原因は
「仕掛けが早すぎる」ことだと説明しました。
では、なぜ相場は
わざわざ反対方向に動いたり、
乱高下したりするのでしょうか。
答えはシンプルです。
相場は、流動性を取りに行くから。
流動性とは何か?
流動性とは、
簡単に言えば 「注文が溜まっている場所」です。
・損切り注文
・逆指値
・ブレイク狙いの成行
・ナンピン注文
これらはすべて、
特定の価格帯に集中しやすい。
例えば、
・誰が見ても分かる高値・安値
・レンジの上下限
・キリのいい数字(00、50など)
こうした場所には、
個人投資家の注文が大量に溜まっています。
相場は、
この「溜まった注文」を消化しないと
次の方向へ進めません。
なぜ逆方向に動くのか
多くの人が
「上に行く」と思って買う場所。
そこには、
・買いポジションの損切り
・売りの逆指値
・ブレイク狙いの成行
が同時に存在します。
これらを一気に巻き取るには、
一度下に振る方が効率がいい。
だから相場は、
- 逆方向に振る
- 早く入った人を振り落とす
- 流動性を確保する
- 本来行きたかった方向へ動く
この流れを取ります。
これが、
ダマシの正体です。
「騙している」のではなく「仕事をしている」
重要なのは、
相場はあなたを騙そうとしているわけではない、
という点です。
相場はただ、
動くために必要なエネルギーを集めているだけ。
この視点を持てるかどうかで、
トレードの世界観は一変します。
【第3段階】
オプションと先物が教えてくれる
― ダマシが「起きる場所」と「終わる場所」 ―
では次に、
その流動性が「どこに」「いつまで」存在するのか
をどうやって知るのか。
ここで重要になるのが、
・オプション
・先物
の情報です。
オプションは「守られたい価格」を示す
オプション市場には、
巨大な資金を動かすプレイヤーがいます。
彼らは、
・この価格を守りたい
・この価格までは行かせたくない
・この水準を超えたら諦める
という 明確な意図 を持っています。
その意図は、
オプションの建玉(OI)として
はっきり数字に現れます。
つまり、
オプションが多い価格=戦場
そこで値動きが荒くなるのは、
当然です。
先物は「今、誰が主導しているか」を教える
先物市場は、
短期的な方向性を示します。
・どの価格帯で出来高が増えているか
・どこでポジションが積み上がっているか
これを見ることで、
「まだ戦いが続いているのか」
「もう決着がついたのか」
を判断できます。
ダマシを避ける視点
ここまでをまとめると、
・形が出たから入る → ダマシに遭う
・流動性が残っているかを見る → 回避できる
つまり、
相場が「まだ仕事を終えていない場所」では入らない
これが、
ダマシを避ける上級者の共通点です。
【第4段階】
ダマシを恐れなくなる思考回路
― 「待つ」という最強の戦術 ―
最後に、
ダマシを回避するための
思考回路そのものについて話します。
多くの人は、
ダマシを「不運」や「敵」と考えます。
しかし上級者は違います。
上級者は「ダマシを見に行く」
上級者は、
こう考えます。
「ここで入る人が多そうだな」
「たぶん一回逆に振るだろうな」
そして、
その“逆に振ったあと”を待つ。
彼らは、
・一度やられた人
・怖くなった人
・諦めた人
が市場から消えたあとに、
静かに入ります。
ダマシ=エントリー準備完了の合図
視点を変えると、
・ダマシが起きた
= 流動性が処理された
= 次の動きの準備が整った
ということ。
つまり、
ダマシは敵ではなく、味方。
ここまで来ると、
トレードのストレスは激減します。
まとめ:ダマシを回避する4つの段階
- ダマシは「早すぎる仕掛け」で起きる
- 相場は流動性を取りに行く
- オプションと先物が戦場を教えてくれる
- ダマシを待てる人が、最後に獲る
これが、
FXで長く生き残るための
ダマシ回避の思考体系です。
もしここまで読んで、
「今まで見ていた世界と違う」
「なぜ負けていたのか腑に落ちた」
そう感じたなら、
あなたはすでに
次の段階に足を踏み入れています。
相場は、
知れば知るほど
シンプルになります。
そして、
ダマシは
怖いものではなくなります。


